活用事例
お客様の状況や課題に即した活用事例をご紹介いたします。
2023/06/01
株式会社竹中製作所
不具合データを蓄積し傾向の見える化・再発防止へ
今回お話をうかがった株式会社竹中製作所様は、60年以上にわたり都市ガス用「ガスメーター」の製造・修理事業を行っている企業です。本社のある千葉県市川市の市川工場の他、長野、筑波と計3拠点に工場を構えます。
今回は品質保証部・道正様に市川工場をご案内いただき、どのように「シマッター」を活用頂いているか、お話をうかがいました。
■ 目的(導入前の課題)
株式会社竹中製作所 品質保証部 道正岳児様
------Q: 市川工場では、主にどういった作業をされているのですか?
「まず、市川工場でメーカーから納品された部品の検査を行い、検査済みの部品を長野工場に送ります。そして、長野工場で組み立て作業を行い、再度市川工場に運び塗装等を行います。ガスメーターとしての機能面での納品前検査も市川工場で行っています。」
-------Q: 道正様の所属する「品質保証部」について教えてください。
「製造工程の中で発生する不具合に対し、お客様に出荷しない仕組みを確立すること。そもそも不具合が起きないように工程を見直すこと。そして、万が一お客様に不具合を納品してしまったものに関しては再発防止を徹底すること。品質保証部は、“ガス事業者様に対して、製品(ガスメーター)の品質を保証する”部門として、日々、不具合に対する取り組みをしています。」
-------Q: おうかがいした不具合に対する取り組みのなかで、「シマッター」をどのように活用頂いていますか?
「工程のなかで不具合が起きると、取り急ぎ対策をとります。ですが、時間が経つと忘れてしまい、同じことが再発する、といったケースが見られました。なので、まずは、どういった不具合が起き、どういった対策をとったのか、忘れないために記録するツールとしてシマッターを導入しました。」
------Q: 参考までに、「シマッター」を導入される前はどのように不具合を管理されていましたか?
「以前はExcelや紙で管理していました。重要度の高い不具合については紙に出力して回覧する等の対応も行っていましたが、それ以外のものはExcelに記録しているだけでした。Excelに記録しているだけだと、皆、あまり見ないですよね…。また件数が増えてきたこともあり、管理としては不十分だと感じていました。」
■ 導入(実施概要)
-------Q: 「シマッター」を導入された後、アカウント数を追加して頂きました。どのような背景でしょうか?
「最初は品質保証部内の記録用として使っていましたが、“品証だけで使っているのは勿体ない”という話になり、今は製造部門・営業部門、また各工場のリーダーと、全社的に活用しています。シマッターはスマホのアプリで簡単に不具合情報が閲覧できるため、例えば外でお客様と会話している中で参考として活用することもでき便利です。また、自部門で検出した不具合を他部門に対して対策を促す際に活用する、といったケースもあります。」
------Q: 製造部門の方にも抵抗なく「シマッター」をご活用頂けていますか?
「現場では、とにかく手軽に入力してもらうことが大事だと思っています。「シマッター」は『現象』『原因』『対策』と項目があるなかで、まずは『現象』だけを記入して保存することができるため、現場での記入ハードルを下げることができます。まず、不具合を見つけた人は、とりあえず『現象』を入力してもらいます。不具合を見つけた人=対策をとるべき人、とも限らないので、『責任部門』という項目で選ばれた担当者(他部門なり、管理者なり)が、『原因』『対策』を記入する、と臨機応変に使っています。」
-------Q: 「シマッター」を全社的に活用頂くなかで工夫された点はありますか?
「不具合の軽・重にかかわらず、とにかく気軽に記入してもらうようにお願いしています。また、不具合を見つけた部門が責任部門を追及するような形にならないよう、不具合を見つけた際は、あくまで『現象』として、感想・意見などは含まず“事実”のみを記入してもらうようお願いしています。誰のせい、とか責任を追及するものではなく、あくまで不具合の現象を共有し、対策すべきものは対策をするためのツールとして、今は大きなトラブルもなく活用できていると思います。」
-------Q: 「シマッター」の機能として、気になる点はありますか?
「不具合を気楽に入力してもらうツール、という点では、問題なく全社的に浸透していると思っています。ただ、そうすると件数が増えてきて、あまり気にしなくてよい事項~重要な事項まで混在している状態になるため、分析・分類が大事になります。弊社では、シマッターにExcelを外付けすることで、分析・分類をしています。シマッター自体に分析・分類機能があれば便利なのかもしれませんが、そうすると気軽に入力できるという良い面が失われてしまう気がするので、弊社ではExcelを外付けすることでうまく活用できていると思っています。」
■ 効果
-------Q: 「シマッター」導入の効果を教えてください。
「まず、不具合データを蓄積するという点においては、十分に活用できていると思います。そして蓄積したデータを活用する、という点においては、一部Excelを活用していますが、きちんと分類することで関連業務の過去データのみを抽出し、新人の教育資料としても活用できています。また、重要事項のフォローアップにも活用しています。社内規定により、一部の重要事項に関しては文書化して残す必要があるため、シマッター上でタグ付けすることにより管理しています。シマッターは不具合ごとにPDFとして出力することがきるので、規定フォーマットで文書化した資料の参考資料として添えることもあります。」
-------Q: 「シマッター」を導入することで、不具合の再発防止につながりましたか?
「シマッターを導入して3年近く経ちます。不具合データの蓄積および、傾向の見える化は実現できていると感じています。品質保証部と製造部の合同ミーティングの際にもシマッターのデータを活用し、再発防止につなげられるような議論ができるようになっています。」
(以上、道正様)
都市ガス用のガスメーターの製造・修理事業で、約60年もの歴史を持つ同社。不具合に対する取り組みからも、品質に対する徹底したこだわりを感じます。「シマッター」についても、最初は「このシステムは何??」と疑問視する声もあったそうですが、今では抵抗なく活用いただけているようです。今回ご案内いただいた市川工場では、若い方が真剣に作業に取り組む姿が印象的でした。すれ違う方が皆「こんにちは」と笑顔で声をかけてくださり、真剣さのなかでも明るく仲の良い雰囲気が伝わってきました。『良い人間関係づくり・会社づくりが良い製品づくりにも繋がっていく』という同社企業サイトの言葉通り実践されており、皆さんの現場での取り組みの成果を拝見することができました。この度は取材にご協力くださり、ありがとうございました。
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